太陽光発電投資とは
太陽光発電所を作り、その発電所でつくられた電気を売電し利益を得ることを指します。
主に、産業用の太陽光発電投資をご検討されている方向けに、工程の全体像や要点をご紹介します。
試算方法
太陽光発電の売上は簡単な計算式で求めることができます。
売電単価(契約ごとに異なる)× 発電量 = 売上金額
しかし、この計算式は単純に売電したことで得られる売上金額のみです。
発電所をつくるために必要な設備、土地や場所などを準備する「初期費用(イニシャルコスト)」、設備の点検や管理にかかる「維持費用(ランニングコスト)」を売上金額から差し引いて考えなければなりません。
初期費用や維持費用を出来る限り低く抑えることが投資を成功させるカギとなります。
また、太陽光発電事業には補助金を設定している自治体も多くあり、そのような補助金を活用して初期費用を抑えたり、自然災害や事故などの保険を活用して万が一に備えたり、無駄な支出を抑えることが重要です。
投資を成功させる6つのポイント
試算方法のところでも触れましたが、太陽光発電投資の収益を計算するためには売電価格だけでなく、その他必要な費用を計算に入れなければ、成功に導くことは難しいでしょう。
成功のカギとなる要点を6つに絞り、紹介します。
- 売電価格に関すること
- 発電量に関すること
- 初期費用に関すること
- 維持費用に関すること
- 補助金に関すること
- 保険に関すること
売電価格に関すること
売電価格にとって基本となるのがFIT制度と2022年に新制度化されたFIP制度です。
FIT制度とFIP制度 – spblogFIT/FIP制度 詳しくはこちらの記事をご覧ください。
近年では、電力会社に売電するFIT/FIP制度に留まらず、電力購入したい企業(需要者)と契約を結び、直接売電を行う「PPA」といった方法が注目されています。
太陽光発電投資が始まった当初の売電契約はFIT制度一択という印象でしたが、FIT制度が始まってから10年以上が過ぎた現在では選択肢が増えているのです。
「誰に」売電するのかで売電価格は大きく差が出る可能性が高いので、専門家に相談することをお勧めします。
発電量に関すること
発電量は、使用する「太陽光発電システム」と「土地(設置場所)」で大きく差が出ます。
土地(設置場所)は広ければ広いほど設置できる太陽光パネルが多くなり発電量も多く見込めますが、その土地の日射量も大きく影響します。
季節や時間帯によって影になる場所がないか?影になる場所があれば、その場所をどう活用するのか?事前にシミュレーションを行うことが大切です。
日射量に関しては、NEDO※1を利用して予測することができます。
※1 NEDO日射量データベース(クリックするとページへ移動します)
太陽光発電における過積載 – spblog発電量向上の方法として、過積載もお勧めです。
過積載についての記事は、こちらからご覧いただけます。
初期費用に関すること
発電投資の初期費用には「太陽光発電システム」と「設置に関わる施工」があります。
発電施設の規模によって金額は大幅に差が生じます。
広い土地であれば、パネルの枚数が多くなり、それに比例してシステム容量なども大きくする必要があります。当然のことながら、その分初期費用が高額になります。
しかし、この点は前述の「発電量」にも関わることなので、収益が増えるメリットに繋がります。
施工に関しては、発電施設となる土地によって異なります。例えば、近くに電線が無いとなると送電線を敷く工事が必要になったり、整備されていない土地であれば整地や発電所へ出入りするための道をつくる土木作業が必要になったりします。
上記の点を踏まえて土地の選定をし、事前に設計することが重要です。
維持費用に関すること
発電施設は定期的なメンテナンスが義務付けられています。一般的に発電システムのメンテナンスは専門業者に依頼するため、事前に確認しておくべき費用と言えます。
また、規模が大きければ大きいほど初期費用がかかり、金融機関から借入が必要となる場合もあります。そうなると、ローン返済も組み込んで計算する必要があります。
更に、発電施設の土地を借りて運用する場合は、土地代も維持費用に加わります。
補助金に関すること
太陽光発電には国や地方自治体からの補助金いくつかありますが、計画している発電所の内容や所在地によって補助の対象になるかどうか、補助金額がいくらになるのかが変わります。
国からの補助金としては、経済産業省による「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」や環境省による「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」が代表として挙げられます。
また、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電を促進に力を入れている自治体もあり、そういったところで発電施設を構える場合は更に補助金を受け取れる可能性もあります。
補助金を受けるには、条件や上限額など、計画している発電施設にマッチしているのか事前に確認する必要があります。
補助金を最大限に活用することが出来れば、初期費用を抑えることが可能です。
【経済産業省】需要家主導による太陽光発電導入促進補助金
保険に関すること
出力が10kW以上の太陽光発電設備には、火災保険や地震保険等への加入を努力義務とするガイドラインが2020年4月より定められています。
【資源エネルギー庁】太陽光発電設備の保険加入の努力義務化について
産業用の発電施設の場合、野立てであったり、工場や社屋などの屋根であったり、普段目に付きにくい場所に設置されていることが多いのではないでしょうか。
破損など発電施設周辺への被害が発生した場合、すぐに気付くことが難しく、気付いた時には第三者への膨大な損害賠償が発生する案件になっていることもあります。
自然災害も増えている昨今、様々なリスクに対応できるよう、太陽光発電施設向けの火災保険や地震保険などの加入を検討しましょう。